バイオリン"Tomoya Miura"
若手弦楽器製作家として注目を集める三浦智也氏が手掛けた新作バイオリン。この作品は、ストラディヴァリの弟子とされるクレモナの名工、カルロ・ベルゴンツィ(Carlo Bergonzi, 1683-1747)をモデルに製作されています。ベルゴンツィは、アントニオ・ストラディヴァリやグァルネリ・デル・ジェスらと並び、クレモナ派の黄金期を支えた製作家として知られ、その作品は優れた音響バランスと美しい仕上げで評価されています。特に、彼のバイオリンはストラディヴァリの工房での経験を反映しつつも独自の個性を持ち、現代でも多くの演奏者に愛されています。
三浦智也氏のこの新作は、そんなベルゴンツィのスタイルを継承しつつ、彼自身の感性と技術が注ぎ込まれた一挺です。特筆すべきは、新作でありながらも長い年月を経たような温かみのある低音と、耳に心地よく響く高音が絶妙に調和している点。新作ならではの鮮やかさと、歴史的な名器を彷彿とさせる深みが共存するこのバイオリンは、三浦氏の才能とカルロ・ベルゴンツィへの敬意が融合した傑作と言えます。
三浦智也/ Tomoya Miura
東京都出身
大学卒業後、弦楽器の卸問屋に勤務。
国内外の多くの製作家の楽器、弓のディーリングに携わる。
同時に都内の弦楽器工房にて技術を学ぶ。
2017年 大樹バイオリン工房 藤井大樹に師事。
2021年 東京都立川市で開業
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